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タイプ別クライミングチョークの特徴

クライミング・ボルダリングにおけるチョークの役割や
ブラッシングについては以前コラムで紹介させていただきましたが
一口にチョークといっても実に様々なタイプがあります。
人それぞれ肌質が違うのと同じように
自分の手にとってのベストのチョークというのも違ったりもします。
ベストなチョークの探求はクライマ―共通の課題です。


今回はチョークのタイプ別に特徴を見ていこうと思います。

●液体チョーク
主にアルコールに溶け込んだペースト状態のチョークです。
液状なので手に付けてすぐは濡れた感じになりますが
すぐに揮発しますので、乾けばチョークアップ完了です。
アルコールが手の脂を飛ばしてくれるので馴染みやすさもGOOD。
他のタイプと違いチョークを入れるバッグを用意しなくて良いところも
初心者さんには手を出しやすい。ただしアルコールによる手荒れには注意。
弱点は手に付ける量の加減がしづらくグリップの維持はイマイチ
価格的にも量に対する単価は比較高めです。
また開封後はアルコールが徐々に揮発していきますので長期使用においては
固まってしまう事もあります。
ロジン(松脂)が配合されたものも多いので使用の際は注意してください。
※ロジン入りチョークは特に外の岩場では自粛の流れがあります。

・・・メリット:使いやすい、携帯性〇、チョークバッグも不要
・・・デメリット:グリップ維持は△、手が荒れることも、コスト△


●粉末チョーク
文字通りのパウダー状のチョーク、舞い散り易いので扱い方は要注意。
チョークの主成分である炭酸マグネシウムは無害とは言え
好んで吸い込む人はいません、周囲への飛散には配慮が必要です。
そのまま持ち運ぶわけにもいきませんので専用のチョークバッグは必須です
チョークバッグが倒れる事でこぼれてしまう事もあるので
倒れにくい大きめのバッグを使うか、チョークボールを使用するなど工夫しましょう。
舞い散る事に気を付ければ、付ける量は調節もしやすく安定したチョークアップ性があります。
ただし使用していない間でもチョーク自体が空気から吸湿しやすく
パッケージから出してからの劣化も早めです。

・・・メリット:チョークアップ性◎
・・・デメリット:舞いやすい、劣化しやすい


●ブロックチョーク
チョークを石鹸のように固めたもの。
まさに石鹸で手を洗うかのように、手の中で擦り合わせてチョークアップをします
そのため隅々までチョークアップするには少し時間が掛かります。
粉末と比較で、飛散しづらく・吸湿しにくいというメリットも。
しかしそこまで強固ではないので簡単に崩れます、ブロックの状態で維持しようと
するには少々気を使うことになると思います。
腰付け型のチョークバッグでは収まらない事が多いので
大きめのチョークバッグも必要でしょう。


・・・メリット:粉が飛散しづらい、吸湿で劣化しにくい
・・・デメリット:チョークアップしにくい、割らないためには扱いがデリケート


●チャンキーチョーク
固形と粉末が混ざった、中間的で良いとこ取りなチョーク
言い方を変えればどっち付かずで中途半端とも言える。
全粉末ほどではないもののやはり飛散には配慮しましょう。
固形もブロックに比較して小さいものが混じっていますので
チョークバッグが小型でも使いやすい。


・・・メリット:チョークバッグを選ばない
・・・デメリット:チョークアップ性は粉末には劣る


●チョークボール
チョークのタイプとは厳密には異なりますが、巾着のような形状の布袋に
粉末チョークが入っています。
そのままでは舞い散りやすく、こぼれたりする粉末チョークを
袋に詰めて布地の隙間から少しづつ出してチョークアップをします。
自分で中身を詰め替えられるものもあり、その場合は粉末チョークを持っていれば
何度でも使用出来ます。
しかし詰め替えがめんどくさかったり、使用時も量の加減が難しく
チョークアップ性はどうしても悪くなりがちです。
(それを嫌って粉末のみで使う人が増えているのではとも思いますが……)
ボルダリングとは違いルートの長いリードクライミングをする方は
トライの途中でもチョークアップが必要なため、腰付け型のチョークバッグに
チョークボールを入れて使用する方が殆どです。

・・・メリット:粉末が舞うのを抑えられる
・・・デメリット:チョークアップ性が△




以上、チョークのタイプ別特徴でした。
しかし同じタイプのチョークでもメーカーや製品によって
これまた相性はあるので、上記を目安に色んなチョークを試してみると良いでしょう。
自分の登りを最もサポートしてくれるチョークをぜひ探求してみてください。



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